グループホームの管理者は資格が必要?資格有無や仕事内容をご紹介!
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2022/01/07
グループホームは地域密着型サービスの1つであり、認知症の方や知的・身体障がいをもつ方などが入居しています。グループホームで働く方の職種はさまざまですが、その1つに管理者があります。今回はグループホームの管理者について、その仕事内容や資格について詳しくご紹介します。
グループホーム管理者とは
グループホームの管理者は、その名の通り「グループホームの管理業務」を担当する管理職です。施設の責任者として、グループホームの運営などを管理します。グループホームのバックオフィス的な立ち位置で、グループホームを支える存在です。 管理者の主な仕事内容は、以下の通りです。
・人事 労務管理
・介護サービスの管理
・経営 収支の管理
・運営管理
下記ではそれぞれの仕事内容について、詳しくみていきます。
人事 労務管理
グループホームには介護職員をはじめ、ケアマネージャーや生活相談員など、さまざまな職種の方が働いています。働くスタッフの人事・労務管理は、管理者の仕事です。採用手配から面接、シフト管理などは、全て管理者の業務範囲となります。
仕事内容の例 |
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・求人票の管理、求人の掲載手配 ・応募者への電話対応、面接 ・採用者への会社や業務の説明 ・退職や採用に関する事務手続き ・シフトや勤怠管理 ・休業や休暇、欠員に対するシフト調整 など |
介護サービスの管理
入居者さまが快適に暮らせる環境をつくるためには、介護サービスの管理が重要です。適切な介護がなされているか、入居者さまが不自由なく生活できているかを日々チェックし、サービスの質向上に努めます。もちろんこの点は、グループホームで働くスタッフ全員が意識すべき部分です。
しかし業務に集中してしまうと、なかなか客観的には判断できないもの。そこで管理者が積極的にサービスについてチェックし、質向上に向けて取り組めることを実施していきます。サービスの質に直結するのは主にスタッフであるため、人事的な側面も含まれるのが、介護サービスの管理業務です。
仕事内容の例 |
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・スタッフの人材育成計画の作成 ・人事評価、面談 ・基準人員に対するスタッフの配置や確保 ・外部研修やセミナーの参加調整 ・スキルアップやキャリアアップのための研修会、勉強会の実施 など |
経営・収支の管理
グループホームはボランティアサービスではないため、従業員にきちんと給与を払い、運営を続けていくには経営状況を安定させる必要があります。そのために経営・収支の管理を行うのも、管理者の仕事です。
経営・収支の管理は、営業や経理的な側面が強い業務です。特に経理関係は介護報酬や財務関連の、専門知識が必要です。
運営管理
グループホームは、地域密着型サービスの1つです。法令に基づいた適切な運用が重要であり、その点を管理するのも管理者の重要な仕事となります。グループホームの入居者さまは、同一地域内に住んでいる地元の方です。そのため地域とのつながりや、地域をベースとした運営が求められます。
仕事内容の例 |
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・入居者を確保するための営業 ・法令や基準を満たしているかの確認 ・管轄する市町村への届出や監査などの対応 ・相談や苦情への対応 など |
グループホーム管理者になるための資格とは
管理者は、グループホームの責任を担う重要な職種です。グループホームの管理者になるには、以下の2つの条件があります。
・3年以上、認知症高齢者の介護に従事した経験
・厚生労働大臣が定める「認知症対応型サービス事業開設者研修」を修了している
認知症高齢者の介護に従事した経験は、プライベートな介護でなく、特別養護老人ホームやデイサービスなどの指定施設における介護経験である必要があります。
また「認知症対応型サービス事業開設者研修」は、各都道府県や指定都市が実施している研修です。受講料は8,000円で、2日間にわたっておこなわれます。運営やサービス提供のあり方、労務管理など管理者に必要な知識が身につけられます。
グループホーム管理者がケアマネージャーを兼務して働くことは可能?
グループホームの管理者は、1ユニットに1人の配置が求められています。入居者さまに支障がない場合、常勤管理者はケアマネージャーとの兼務が可能です。他の介護施設でも、小規模なホーム・事業所であれば、管理者がケアマネージャーなどの職を兼務するケースもあります。
グループホームは、そもそも1ユニットあたり最大定員数が9人の小規模な施設であり、法令上兼務が認められていることから、管理者が他の職を兼務しやすい環境といえます。
とはいえ兼務すると、それだけ仕事が増えます。管理者の業務はグループホームの運営・経営に欠かせないものであるため、無理して兼務するのは避けるべきでしょう。
そもそもユニットとは?
ユニットとは、グループホーム内にある共同生活の単位です。グループホームは1事業所あたり、1〜2ユニットを運営しています。1ユニットの最大人数は9人で、それに伴い人員を配置します。つまり2ユニットを運営しているグループホームは、全体で最大18名の入居者さまがいます。管理者を含め、グループホームでは1ユニットあたり、以下の人員配置が必須です。
・管理者:常勤1人(計画作成担当者との兼務可)
・計画作成担当者:1人(2ユニット以上ある事業者の場合、うち1人はケアマネージャーの有資格者)
・介護従事者:利用者3人に対して1人以上
認知症の方は、環境変化にうまく適応できない場合があります。そのため固定メンバーで生活を確認できるユニットは、認知症ケアに最適なのです。
グループホームの管理者は、施設の責任者ポジション
グループホームの運営を管理し、そして常に質の高い適切なサービスを提供するためには、管理者の役割が重要です。これまで認知症高齢者の介護に3年以上従事した方は、研修を受けることで管理者になることができます。ぜひキャリアップの1つとして、グループホームの管理者を目指してみてはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。