サ高住と他施設の違いを徹底解説!有料老人ホームやケアハウスなど
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2022/04/04
サ高住は、見守り機能のついたバリアフリー構造の高齢者向けの住まいです。サ高住をはじめ、高齢者向けの住まいや施設にはさまざまな施設があります。今記事ではサ高住と有料老人ホーム、ケアハウスやグループホームなど類似する各施設との違いを詳しく解説します。
目次
サ高住とは
サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」は以下のように定義された住宅です。
状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する、バリアフリー構造を有する住宅
まずは、サ高住の基本情報についてみていきます。
サ高住の特徴
サ高住は「床面積25㎡以上」「便所・洗面設備等の設置」「バリアフリー」「少なくとも安否確認・生活相談サービスを提供する」など、基準を満たしていることで登録される高齢者向け住宅です。在宅高齢者のニーズが増えていることでサ高住の需要も高まり、令和3年8月時点では269,126戸、7,941棟のサ高住が登録されています。
設置主体を問わないことから民間を中心に設置され、介護系事業者や医療系事業者のほか、不動産業者や建設業者などがサ高住事業を行なっています。
サ高住の対象者
サ高住は60歳以上、または要支援・要介護認定を受けている60歳未満の単身・夫婦世帯を対象としています。自立状態にある方が入居する「一般型」と、要介護認定を受けている方が入所する「介護型」の2種類があります。介護型には「特定施設入居者生活介護」に指定されているサ高住もあり、その割合は全体の約9%です。
サ高住で提供するサービス
サ高住では定期巡回による安否確認、日常生活上で困ったことをサポートする生活相談が必須で付帯します。そのほか食事提供や入浴等の介護、調理等の家事などサ高住によって付帯するサービスはさまざまです。
サ高住と有料老人ホームの違い
有料老人ホームは、サ高住と同じく「高齢者のための住居」を基本の施設です。まずは、サ高住と有料老人ホームの違いについてみていきます。
有料老人ホームとは
有料老人ホームは「食事提供」「介護」「洗濯・掃除等の家事」「健康管理」のいずれかを提供する高齢者向けの住居です。老人の心身の健康保持及び、生活の安定のために必要な措置として設けられています。
有料老人ホームの種類
有料老人ホームは「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3種類の施設があります。
介護付き | 住宅型 | 健康型 | |
---|---|---|---|
提供サービス | ・身体介護 ・生活支援 ・リハビリ、レク ・食事提供 など |
・生活支援 ・食事提供 など |
・家事サポート ・食事提供 ・健康管理 など |
介護付きは介護保険制度上の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていることから、「介護付き」と表記されます。介護型の中でも施設スタッフが直接介護する「一般型」と、外部事業者を利用する「外部サービス利用型」があります。住宅型は介護を提供しないため、介護が必要となった場合には外部の介護サービス事業者を利用することで入居が継続可能です。健康型は自立状態にある方を対象としており、介護が必要になった場合には退去しなければなりません。娯楽要素が強く、施設数も少ないことから費用が高額な点が特徴です。
サ高住と有料老人ホームの違い
サ高住と有料老人ホームの大きな違いは、契約形態にあります。サ高住は物件を借りる賃貸借契約、有料老人ホームは施設を利用する権利を得る利用権方式での契約が一般的です。サ高住では居住部分の契約がメインであることから、基本的に介護などのサービスは別契約となります。一方有料老人ホームは居住部分だけでなく、介護や生活支援などのサービスを含めた契約です。
また、サ高住は自立~軽度の要介護の方を入居条件としている一方、サ高住に最も類似する住宅型有料老人ホームは自立~要介護5まで幅広い方を対象としています。特に、介護付き有料老人ホームであれば、全ての施設が「特定施設入居者生活介護」に指定されていることから、中重度の要介護者でも入居しやすい点が特徴。サ高住は住まいを提供する性格が強いことから、中重度の高齢者を受け入れるには不十分なケースが多いのです。
サ高住とグループホームの違い
次に、サ高住とグループホームの違いを解説します。
グループホームとは
グループホームとは、介護保険上「認知症対応型共同生活介護」に位置付けられている認知症高齢者向けの居住施設です。65歳以上の要支援2または要介護1以上の認定を受けており、医師から認知症の診断を受けた方が対象です。加えて、施設と同一の市区町村に住民票を置いている必要があります。
グループホームでは5~9人の小規模なユニットで、日常生活のサポートを受けながら暮らします。なじみのある入居者・スタッフと家庭的な環境の中生活することで、認知症の進行防止や緩和に繋がります。
サ高住とグループホームの違い
サ高住は自立~軽度の要介護にある60歳以上を対象としている一方、グループホームは65歳以上かつ認知症の診断を受けている、要支援・要介護の高齢者を対象とした施設です。一部のサ高住でも認知症の高齢者を受け入れていますが、認知症に特化した施設ではないため専門的な処置はなされません。またグループホームは、入居者の能力に応じて役割分担しながら生活していく点で、サ高住を含む他介護施設と特徴が異なります。
サ高住とケアハウスの違い
次に、サ高住とケアハウスの違いをみていきます。
ケアハウスとは
ケアハウスとは、家庭や住宅の事情で居宅生活が困難な60歳以上の高齢者を対象とした住居です。軽費老人ホームの一種であり、別名「軽費老人ホームC型」とも呼ばれます。ケアハウスのほか軽費老人ホームA型とB型がありますが、今後新設されることはなく将来的にはケアハウスへ一本化される予定。また、ケアハウスは低所得者を対象とした施設であることから、低額で入居できる点が特徴です。
ケアハウスの種類
ケアハウスにはサ高住のように、「一般型」と「介護型」の2種類があります。一般型は家族から援助を受けることが難しい60歳以上の高齢者を、介護型は65歳以上かつ要介護1以上の低所得高齢者を対象としています。一般型で受けられるサービスは食事提供や生活支援、緊急時の対応となり、介護が必要となった場合は外部事業者との契約が必要です。介護型は特定施設入居者生活介護に指定されていることから、施設内で介護や機能訓練、療養上の世話などが受けられます。
サ高住とケアハウスの違い
サ高住は入居条件を満たしていれば誰もが入居できる一方で、ケアハウスは「低所得」「家族から援助を受けられない」など個人的な事情が入居条件に含まれます。またサ高住で最低限提供されるサービスは安否確認と生活相談のみですが、ケアハウスでは食事提供や生活支援が提供されます。介護型は全ての施設が特定施設入居者生活介護に指定されていることから、サ高住よりも手厚い体制のなか介護が提供されます。
サ高住と特養の違い
最後に、サ高住と特養の違いを解説します。
特養とは
特別養護老人ホーム、通称「特養」は在宅で生活することが困難な要介護の高齢者が入居する施設です。身体または精神上著しい障害があることで常時介護が必要な、65歳以上の高齢者を対象としています。公的な高齢者向け施設のなかでも数が多く、比較的低価格な費用で入居できる点が特徴です。日常生活における身体介護のほか、生活支援や機能訓練、看取りにも対応しています。
サ高住と特養の違い
サ高住は設置主体を問わない民間施設であるのに対し、特養は地方公共団体や社会福祉法人が運営する公的施設です。特養は公的施設であることから入居金が必要なく、月額費用も比較的安価となります。またサ高住は自立~軽度の要介護の高齢者を対象とする一方で、特養は原則要介護3以上の高齢者が対象です。要介護のほか、重度の認知症高齢者も受け入れています。サ高住では認知症高齢者の受け入れや看取りについては施設によって異なり、受け入れ可能なサ高住も一部です。
サ高住と他施設の特徴や役割の違いを押さえよう!
サ高住は賃貸借契約のもと利用する施設である点が、他施設との大きな違いです。また対象者は自立~軽度の介護状態にある60歳以上の高齢者であり、サ高住によって安否確認や生活相談以外に提供されるサービスも異なります。今回ご紹介した施設との特徴や役割の違いを押さえ、サ高住への理解を深めてみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。