【2024年最新】介護職の給料はどれくらい?平均年収や資格・施設ごとに変わる給料について解説!
著者: ゲートウェイ
更新日:2024/06/20
公開日:2019/02/26
介護職の給料はどれくらいでしょうか。平均年収、月収や賞与など、介護職の給料について、さまざまな視点からご紹介します。また今後、介護職の給料は上がる傾向にあるのか、給料をアップさせるための方法などについても解説。給料について知り、自分に合う勤務先を探しましょう。
目次
介護職の平均年収とは
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、勤続年数別の介護職の平均年収は以下の通りです。
勤続年数 | 【年収】給料相場 | |
---|---|---|
令和4年 | 令和3年 | |
1年(1年~1年11ヶ月) | 約338.3万円 | 約296.2万円 |
2年(2年~2年11ヶ月) | 約345.8万円 | 約326.5万円 |
3年(3年~3年11ヶ月) | 約357.1万円 | 約336.3万円 |
4年(4年~4年11ヶ月) | 約364.2万円 | 約341.9万円 |
5年~9年 | 約374.2万円 | 約354.7万円 |
10年以上 | 約415.8万円 | 約396.1万円 |
(統計表第133表)を加工して作成
※介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所の場合
※年収は「平均給与額×12」(100円以下の位切り捨て)にて算出(手当や一時金を含む金額)
調査結果から、介護職の給料は勤続年数が増えるにつれて上がります。役職や資格などの手当がつくためです。前年度と比較すると、介護職の年収は全体的に20万円ほどアップしています。
しかし、国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、令和4年の日本の平均年収は458万円であるため、相場から見ると介護職の年収は全体の平均よりも低いことが分かります。
ただし、上記年収はあくまで相場です。同じ介護職でも、役職や勤務先によっては表の情報よりも高い年収を得ている介護職の方も多くいます。
介護職の平均月収とは
厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職の平均給与は以下の通りです。
勤続年数 | 【年収】給料相場 | |
---|---|---|
令和4年 | 令和3年 | |
1年(1年~1年11ヶ月) | 約21.8万円 | 約20.8万円 |
2年(2年~2年11ヶ月) | 約22.0万円 | 約21.0万円 |
3年(3年~3年11ヶ月) | 約22.6万円 | 約21.5万円 |
4年(4年~4年11ヶ月) | 約23.1万 | 約22.0万円 |
5年~9年 | 約23.7万円 | 約22.7万円 |
10年以上 | 約25.8万円 | 約24.8万円 |
(統計表第148表)を加工して作成
※介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所の場合
※100円以下の位切り捨て
介護職の月収も、勤続年数が上がるにつれて増える傾向にあります。勤続1年では約21.8万円でも、勤続10年以上となると4万円ほど上がっています。
また、令和3年に比べると令和4年の給料相場は軒並み上がっているため、今後も給与が上がっていくことが予想されるでしょう。
介護職の平均賞与とは
職種 | 年間賞与その他特別給与額 |
---|---|
介護支援専門員(ケアマネージャー) | 約65.1万円 |
介護職員(医療・福祉施設等) | 約55.0万円 |
訪問介護従業者 | 約49.0万円 |
(統計表第148表)を加工して作成
※100円以下の位切り捨て
介護職を職種で分けた場合、各職種の賞与の目安は上記のとおりです。介護職の中でも上位資格を持つケアマネージャーの賞与は、他の介護職員や訪問介護従業者に比べて高い傾向が見られます。
なお、施設によっては賞与が支給されないことも。求人票などをよくチェックしておきましょう。
介護職の初任給とは
介護職の初任給については、施設や勤務場所によって大きく異なります。たとえば、介護福祉士の資格を取得した状態でも、一般的に正社員として就職した場合の初任給は平均16万7千円です。これに資格手当や夜勤手当が加算されるため、実際には平均20万円程度になる企業がほとんどです。手取りだと17万円~18万円が相場でしょう。
実際の手取り額はいくら?
給料をみる際に注意すべき点は、「額面」と「手取り」は異なるということです。手取りは税金などが差し引かれた、振り込まれる金額のこと。そのため実際の手取り額は、額面のおよそ7〜8割となります。
【男女・年齢別】介護職の給料比較
男女別、年齢別に介護職の平均給与を紹介します。
男性介護職の年齢別平均給与
年齢 | 平均給与(月収) |
---|---|
29歳以下 | 29.3万円 |
30歳~39歳 | 33.8万円 |
40歳~49歳 | 35.8万円 |
50歳~59歳 | 34.0万円 |
60歳以上 | 28.0万円 |
(統計表第139表)を加工して作成
※介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所の場合
※手当や一時金を含む金額(100円以下の位切り捨て)
男性介護職の場合、40歳~49歳の平均給与が35.8万円でもっとも高い額を得ています。基本的に、勤続年数が長くなるとともに給与も高くなると考えられるでしょう。
60歳以上になると28.0万円と平均給与が下がります。夜勤に入る頻度が減る人が多く、手当が少なくなっていることや、定年を迎えて非正規雇用になるなど雇用形態が変化している可能性があるでしょう。
女性介護職の年齢別平均給与
年齢 | 平均給与(月収) |
---|---|
29歳以下 | 28.4万円 |
30歳~39歳 | 30.7万円 |
40歳~49歳 | 31.9万円 |
50歳~59歳 | 31.7万円 |
60歳以上 | 29.3万円 |
(統計表第139表)を加工して作成
※介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所の場合
※手当や一時金を含む金額(100円以下の位切り捨て)
女性介護職では、40歳~49歳の31.9万円、50~59歳の31.7万円が平均給与として高く、40歳~59歳までの間で高い給与が受け取っている人が多いことが分かります。男性介護職と同様、60歳以上となると30万円を切りますが、夜勤の頻度が少なくなっていたり、雇用形態が変化していたりする可能性が考えられるでしょう。
【保有資格別】介護職の給料比較
保有資格によっても給与額に違いがあるようです。
保有資格 | 平均勤続年数(令和4年) | 令和4年 | 令和3年 |
---|---|---|---|
介護支援専門員 | 12.7 | 約37.6万円 | 約36.0万円 |
介護福祉士 | 9.5 | 約33.1万円 | 約31.4万円 |
実務者研修 | 6.5 | 約30.2万円 | 約28.9万円 |
介護職員初任者研修 | 8.0 | 約30.2万円 | 約28.6万円 |
保有資格なし | 5.3 | 約27.0万円 | 約25.0万円 |
(統計表第136表)を加工して作成
※介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所の場合
※手当や一時金を含む金額(100円以下の位切り捨て)
保有資格によって任される仕事内容も大きく違ってくるため、それが給与額にも反映してくるようです。また、長く働けば働くほど、資格は給与で有利に働くといえます。キャリアアップを目指すのであれば、資格取得をした方がよいでしょう。
【雇用形態別】介護職の給料比較
雇用形態 | 平均月収 |
---|---|
常勤 | 約31.7万円 |
非常勤 | 約19.6万円 |
(統計表第117表)を加工して作成
※介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所の場合
※手当や一時金を含む金額(100円以下の位切り捨て)
上記月収は、介護職員での比較です。非常勤の場合、個人の出勤回数などによって大きく差が出ますが、常勤とはかなりの開きがあることがわかります。この傾向は介護職員に限らず、介護職全般に見られるでしょう。
【施設・職場別】介護職の給料比較
施設・職場職種 | 【平均月収】常勤 | 【平均月収】非常勤 |
---|---|---|
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 約34.7万円 | 約21.2万円 |
介護老人保健施設(老健) | 約33.8万円 | 約27.8万円 |
介護療養型医療施設(介護療養病床) | 約28.5万円 | ― |
訪問介護事業所 | 約31.7万円 | 約19.4万円 |
通所介護事業所(デイサービス) | 約27.6万円 | 約17.0万円 |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 約29.3万円 | 約21.0万円 |
(統計表第120表)を加工して作成
※介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所の場合
※手当や一時金を含む金額(100円以下の位切り捨て)
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の給料について
特別養護老人ホームは、社会福祉法人や地方自治体が運営する公的な施設です。介護度の高い利用者が多く、仕事をするには相応の介護スキルが求められます。介護施設の中では、最も高い給料相場です。
介護老人保健施設(老健)の給料について
通称老健と呼ばれ、医師の管理の下で利用者の自立支援や在宅復帰を目指します。機能回復にも重きを置いており、生活援助や身体介助のほか、リハビリテーションも行います。介護施設の中では、介護老人福祉施設に次いで高い給料相場です。
介護療養型医療施設(介護療養病床)の給料について
病院に併設されていることが多く、運営元が医療機関の介護施設です。入院患者さまの介護のほか、医師や看護師のサポートも行います。給料は相場ほどですが、施設規模によって変動します。また地方よりも都心部の施設の方が、給料も高い傾向にあります。
訪問介護事業所の給料について
ご利用者さまの自宅に伺い、介護サービスを提供します。身体介護のほか、掃除や洗濯などの家事も仕事の1つです。また訪問介護は実務者研修や初任者研修、介護福祉士の有資格者しかできないため、給料相場はやや高いといえます。
通所介護事業所(デイサービス) の給料について
要介護度や要支援度の低いご利用者さまが、自宅から通うタイプの介護施設です。入浴や機能訓練、レクリエーションなどにより、機能回復や社会的孤立感の解消を図ります。デイサービスは無資格の方でも就業可能である一方、看護師や生活相談員など有資格者の配置も必要です。そのため給料は、資格有無や役職によって個人差があるといえます。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の給料について
認知症の高齢者が、サポートを受けながら共同生活する介護施設です。家庭に近い環境で、5〜9人の小規模グループが日常生活を送ります。24時間稼働しているため夜勤配置があり、夜勤有無によっても給料が変動する点が特徴です。
介護職員処遇改善加算と待遇の関係
介護職員処遇改善加算とは?
近年の高齢化に伴い、介護職のニーズは高まりつつあります。しかしどれだけ介護報酬を増やしても、使い道を施設に全委託していれば、すべてが給与に反映されることはありません。少ない給料の状態で仕事量が増えるだけでは、介護職の離職率は増えていく一方です。介護職の給料を上げることを目的に「介護職員処遇改善加算」という制度を設けました。
介護職員処遇改善加算の取得状況
では、実際にどれだけの施設が「介護職員処遇改善加算」を取得しているのでしょうか。以下は、1~5段階ある処遇改善加算に対する施設の取得状況を表しています。
施設形態 | 取得状況 | 加算Ⅰ | 加算Ⅱ | 加算Ⅲ |
---|---|---|---|---|
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 99.3% | 92.4% | 4.2% | 2.7% |
介護老人保健施設(老健) | 97.4% | 82.9% | 9.1% | 5.4% |
介護療養型医療施設(介護療養病床) | 63.1% | 38.9% | 10.8% | 13.5% |
訪問介護事業所 | 92.7% | 75.2% | 9.9% | 7.5% |
通所介護事業所(デイサービス) | 95.5% | 79.8% | 8.1% | 7.6% |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | 99.3% | 88.3% | 6.3% | 4.7% |
(統計表第28表)を加工して作成
介護療養型医療施設が全体の数値を引き下げていることが確認できます。また、加算を事業所がどの段階まで取得しているのかによっても差が生まれています。それぞれに要件があるため取得するのが難しい状況であることも事実です。
今後、介護職の給料は上がる?
介護職は今後需要が高まることが明白である反面、給料や待遇への不満から離職が多い現状もあります。では今後、介護職の給料は上がるのでしょうか。この点についても、詳しく見ていきます。
2024年2月から介護職の賃上げが決定
政府は、2024年2月から介護職の賃上げ政策を行っています。これまでの賃金水準を理由とした介護職の離職を重く受けとめ、一般的な介護施設の職員のほか、看護助手や訪問介護、障がい福祉サービスを担う介護職員を対象にした賃上げです。
具体的には職員一人あたり6,000円の賃上げで、介護報酬の改定を待たず賃上げが実施されたことになります。
2024年6月に介護報酬改定が施行
2024年6月には、「訪問看護」「通所リハビリテーション」「訪問リハビリテーション」「居宅療養管理指導」の介護報酬改定も行われます。
2024年(令和6年)度の介護報酬改定の改定率は、「+1.59%」と発表されています。この内訳としては、介護職員の処遇改善分が「+0.98%」、その他の改定率が「+0.61%」です。
例年に比べ大幅なプラス改定となる理由としては、賃上げを通じて介護人材の確保を行い、生産性の向上を期待していることが考えられるでしょう。
2024年以降の介護職の給料は上がる?
上記で紹介したように、2024年に介護職員の賃上げが行われるものの、看護師やケアマネージャーの給料が低いという問題は残っています。
しかし、介護職員の平均給与は、2009年から2019年にかけての10年間で月額約7万5,000円上がった実績があります。2024年に行われる賃上げは一時的なものではなく、今後も賃上げが続く可能性が高いといえるでしょう。
介護職員が給料をアップさせる3つの方法
介護職員が給与をアップさせるためには、手当を増やす他に、ケアマネージャーになるなどの方法があります。3つの方法について紹介します。
手当を増やす
夜勤のある施設では、1回の夜勤で平均5,000円~8,000円程度の夜勤手当が給料とは別に支給されます。夜勤に入る日数は平均で4~5回ですが、夜勤手当を増やすために勤務回数を増やしている人も少なくありません。少ない勤務日数で収入アップが見込める「夜勤専従」という働き方もありますが、体調管理には十分に注意してください。
ケアマネージャー・生活相談員になる
介護福祉士の資格を取得しているのであれば、ケアマネージャーや生活相談員といった職種にキャリアアップすることで、給料をアップさせることも可能です。それぞれに別の資格を取得する必要がありますが、介護サービスを受けたいと検討している方の相談役となり、その人らしい生活をサポートしていく、やりがいのある仕事です。
転職する
現状の給与額と平均給与額を比較してみてください。また、資格を取得したり、役職に就いたりしても給料が上がる見込みがないのであれば、別の施設への転職も考えることも大切です。超高齢化社会の影響から介護職の需要は高まっており、人手不足ともいわれています。自分の希望に合った環境が優れている職場を探してみましょう。
介護職として給料アップを目指して待遇のよい職場を探そう!
介護職の給料についてさまざまな面から紹介しました。他業界への人材流出も問題となり、賃上げも行われています。今後、需要が増える業界かつ人材不足の問題を考えると、介護職の給料は上がっていくと予想されます。
また、受け身で待たなくても、手当が増えるように働いたり、ケアマネージャーや生活相談員になるなどキャリアアップを目指したりするのもよいでしょう。環境が優れている施設に転職するという方法もあります。待遇のよい職場探しをしてみてください。
ソラジョブ介護では、数多くの介護職求人を検索できます。取得している資格や勤務したい地域、施設などを絞り込んで検索も可能です。給与についての詳しい情報も、施設詳細ページで確認ができますので、自分に合う施設が見つかるはず。ぜひ、ソラジョブ介護を活用して、ぴったりの施設を探してください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。