介護現場で活躍!福祉用具専門相談員の仕事内容や研修とは?
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2020/09/10
福祉用具専門相談員は、福祉用具の利用者や家族に対し、適切な使用法や道具選びをアドバイスするプロフェッショナルです。介護や福祉用具に関する専門的な知識が必要となるため、福祉用具専門相談員になるためには既定の研修を修了する必要があります。今回は、福祉用具専門相談員の業務内容や将来性、研修など徹底的に解説していきます。
目次
福祉用具専門相談員の仕事内容3:福祉用具の取り扱い説明・各利用者に合わせた調整
福祉用具専門相談員の仕事をより活かせる資格1:福祉用具プランナー
福祉用具専門相談員の仕事をより活かせる資格2:福祉用具選定士
福祉用具専門相談員の仕事をより活かせる資格3:福祉住環境コーディネーター
社会福祉相談員に向いている人の特徴1:人とのコミュニケーションが好き
福祉用具専門相談員とは?
福祉用具専門相談員は、福祉用具が必要な高齢者をさまざまな面でサポートする専門職です。介護保険の指定をされている福祉用具貸与や販売事業所には、必ず2名以上の福祉用具相談員が勤務しています。
福祉用具専門相談員の仕事内容
福祉用具専門相談員の仕事内容は、主に下記になります。
・福祉用具の選び方相談
・福祉用具の利用計画作成
・福祉用具の取り扱い説明・各利用者に合わせた調整
・モニタリング(現場確認)
福祉用具専門相談員の仕事内容1:福祉用具の選び方相談
利用者の状態や周辺環境を把握した上で、最適な福祉用具を選ぶサポートをします。2018年10月から福祉用具の貸与額に上限が設定されたことを受け、現在は全国平均貸与価格と当該事業者における貸与価格、両方を説明することが義務付けられています。
福祉用具専門相談員の仕事内容2:福祉用具の利用計画作成
利用者の希望や相談内容から、計画書の作成を行います。福祉用具の利用を開始する際には、福祉用具サービス計画を立てる必要があります。計画書には、利用者の生活を支える上で、どのような福祉用具を使用していくのかが記載されています。
福祉用具専門相談員の仕事内容3:福祉用具の取り扱い説明・各利用者に合わせた調整
使用する福祉用具が決まった後は、道具の調節を行います。利用者の状態や、周囲の環境に合わせて作業を行うことが重要です。また、福祉用具の適切な使用方法をレクチャーします。
福祉用具専門相談員の仕事内容4:モニタリング(現場確認)
福祉用具利用者の自宅を訪ねて確認を行います。具体的には、用具の安全確認や利用者自身の状態確認などです。福祉用具専門相談員によるモニタリングは、年2回実施することが義務付けられています。
福祉用具専門相談員の資格はどうやって取得するの?
福祉用具専門相談員になるためには、福祉用具専門相談員指定講習を修了する必要があります。また、福祉用具に関連した知識を要する国家資格保持者は、講習を修了していない場合でも福祉用具専門相談員の業務を行うことが可能です。
福祉用具専門相談員指定講習とは
福祉用具専門相談員指定講習は、講義と演習で構成されています。受講可能な場所は、各都道府県が指定した研修機関です。カリキュラム修了時には筆記による修了評価試験が実施されます。
受講資格 | 特になし。だれでも受講可能 |
---|---|
時間数 | 50時間 |
筆記試験 | あり |
費用 | 約4万円~6万円前後 |
福祉用具専門相談員指定講習の内容
福祉用具専門相談員指定講習は、相談員の役割や介護保険制度をはじめとする全6カリキュラム(50時間)を学ぶ構成となっています。詳細は下記になります。
福祉用具と福祉用具専門相談員の役割 | 2時間 |
---|---|
介護保険制度等に関する基礎知識 | 4時間 |
高齢者の介護・医療に関する基礎知識 | 16時間 |
個別の福祉用具に関する知識・技術 | 16時間 |
福祉用具に係るサービスの仕組みと利用の支援に関する知識 | 7時間 |
福祉用具の利用の支援に関する総合演習 | 5時間 |
以上の内容について、7日前後で修了することを目標としています。
福祉用具専門相談員の仕事ができる国家資格
以下の国家資格を保有している場合、講習を受講しなくても福祉用具専門相談員の業務に従事することができます。
・介護福祉士・社会福祉士・保健師・看護師
・准看護師・理学療法士・作業療法士・義肢装具士
※2015年4月の制度変更以降、ホームヘルパー、介護職員基礎研修は対象外となっていますのでご注意ください。
福祉用具専門相談員の給与について
一般的に、福祉用具専門相談員の平均年収は約320万円前後となっています。さらにケアマネージャーや福祉住環境コーディネーター2級といった、他の資格を保有していることでベースアップを期待することができます。
大手企業が運営する介護施設や福祉用具専門の企業に就職し、実務経験を重ねてレベルアップすることも、年収アップにつながる道のひとつとなるでしょう。
福祉用具専門相談員は将来性のある仕事?
福祉用具専門相談員が働く場所は、福祉用具貸与・販売事業所のみではありません。近年では、ホームセンターやドラッグストアでも介護福祉用品が販売されています。さまざまな場所で、福祉用具専門相談員の専門的な知識が必要とされていると言えるでしょう。
今後の高齢化社会に伴いますます活躍の場が広がる福祉用具専門相談員。以下の資格を取得することで更に将来の選択肢を広げることができるでしょう。
福祉用具専門相談員の仕事をより活かせる資格1:
福祉用具プランナー
福祉用具プランナーは、公益財団法人テクノエイド協会が認定している資格です。福祉用具の選定から、利用状況の評価まで多くの面で利用者サポートをできる人材を目指します。福祉用具専門相談員として業務に従事している人や、介護福祉士や看護師、作業療法士といった業務経験のある人などが受講対象となっています。
福祉用具専門相談員の仕事をより活かせる資格2:
福祉用具選定士
福祉用具専門相談員の更なるスキルアップを図って、日本福祉用具共有協会が認定している資格です。選び方や使い方等、主に福祉用具に関する情報のプロフェッショナル。指定のカリキュラムを受講し、筆記試験をパスすることで取得できます。
福祉用具専門相談員の仕事をより活かせる資格3:
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターは、医療、福祉、建築の観点を通して、高齢者や障がい者の方の住所環境をサポートするアドバイザーです。3級から1級まで存在し、所定の検定試験に合格することで取得できます。
福祉用具専門相談員の仕事はきつい?
どんな仕事にも、やりがいと裏腹の厳しさはつきものですが、福祉用具相談員の仕事では、主に以下の面が厳しいと言われることが多いようです。
・肉体仕事や残業などからくる体力面
・場合によってはノルマが存在する
・多くの専門知識が必要になる
体力仕事などからくる身体面
福祉用具専門相談員の仕事内容には、力仕事も含まれることがあります。電動ベッドの組立、移動などは特に力を必要とする作業です。しかし、手順やコツを掴めば、女性でも短時間で終えられるようになります。過度な不安を抱く必要はないでしょう。
場合によってはノルマが存在する
福祉用具相談員の仕事には、営業の一面を含む場合があります。新規の利用者を見つけることを目的に、ノルマが与えられることも。しかし、ノルマを達成することで多くの給料を貰えたり、昇進の速度が速まることもあります。ステップアップへの道筋が見えやすいとも考えられるでしょう。
多くの専門知識が必要になる
福祉用具相談員の仕事をする上では、多くの専門知識が必要です。そのため日常的な勉強が必要不可欠です。しかし、利用者の状態は1人1人異なるため、臨機応変な対応が求められることもあります。勉強通りにいかない時もありますが、代えの利かない大事な仕事と言えます。
福祉用具専門相談員に向いているのはこんな人
福祉用具を通して利用者の自立した生活を支える福祉用具専門相談員。社会に必要不可欠な仕事ですが、どんな人が向いているのでしょうか。ここでは、福祉用具専門相談員に向いている人の特徴を紹介していきます。
社会福祉相談員に向いている人の特徴1:人とのコミュニケーションが好き
福祉用具専門相談員は、利用者本人はもちろんですが、ご家族や連携機関とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていく必要があります。多方面とコミュニケーションを取ることが多いため、人と接することが好きな人は責任を持って業務に従事できるでしょう。
社会福祉相談員に向いている人の特徴2:気が利く人
福祉用具専門相談員は、利用者との定期的なコミュニケーションの機会があります。その際に利用者の容態の変化や福祉用具との相性、親族の方の要望など、細かいニュアンスを察知する必要があります。以上の理由から、細かい気配りができる方は社会福祉相談員に向いていると言えます。
社会福祉相談員に向いている人の特徴3:能動的に新たな知識を習得できる人
高齢者や障がい者のニーズに合わせ、福祉用具は常に進化をとげています。そのため、福祉用具専門相談員の学びは尽きることがありません。能動的に、最新の情報をキャッチできる人ほど、利用者それぞれの状況に対応することができます。
福祉用具専門相談員は介護現場に必要不可欠な仕事
いかがでしたでしょうか。福祉用具専門相談員は、福祉用具を通して、高齢者や障がい者を支える社会に必要不可欠な仕事です。資格の取得やスキルを積めばキャリアアップも可能。今後ますます需要が増えていくお仕事です。現在のお仕事からの転職をお考えの方も、ぜひ福祉用具専門相談員という仕事を検討してみてはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。